スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

書評

主役はお客様 コロッケ公演を見て

このところ、ブログを更新できませんでした。仕事が忙しかった‥‥という言い訳は野暮。プロにあるまじきことです。 プロと聞いて思い出すのが、ものまね芸の第一人者、コロッケさん。先日、大阪・新歌舞伎座で公演を見てきました。 コロッケさん、今まで歌手…

海への郷愁 雑誌『島へ』

昨年から『島へ』という雑誌を定期購読しています。 海風舎という出版社が発行している「日本で唯一の島マガジン」です。日本の島に関する文化、歴史、風土、食べ物、人間模様などをていねいに取材しており、読み応えのある1冊です。 私は、瀬戸内海に面し…

地球の豊かさ 『翻訳できない世界のことば』

『翻訳できない世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース著)というユニークな絵本を読みました。 外国語には、他の言語では言い表せない言葉が存在するそうです。それらの言葉を集めたユニークなイラストブックです。著者は世界を旅するイラストレータ…

あの頃のこと ー『2016年の週刊文春』

『2016年の週刊文春』を読みました。著者は柳澤健さん。花田紀凱編集長の「週刊文春」「ナンバー」編集部に在籍後、2003年に独立し、ノンフィクション作家として活躍する方です。 文藝春秋社の軌跡を追いつつ、週刊文春の創刊から現在までを克明に綴った一冊…

一滴の雨水 『猫を棄てる 父親について語るとき』

『猫を棄てる 父親について語るとき』(村上春樹著)を読みました。 村上春樹に不案内な私に、書評家の友人が奨めてくれた一冊です。副題にもあるとおり、村上さんが、初めて父親のことを書いた本。太平洋戦争で大陸へ出兵し、命からがら生き延びた父親。そ…

『風雲児たち 幕末編』(みなもと太郎著)

『風雲児たち 幕末編』(みなもと太郎著)を読んでいます。 1979年に始まり、現在も連載中というロングセラー。徳川幕府の成立から寛政、化政、そして幕末に至る大長編です。 大河ドラマの参考として読み始めたのですが、実におもしろい。史実を描きながらも…

『月曜断食』

2019年4月から週に1度の断食を始めて、昨日、105回目を迎えました。 ツイッターでこの『月曜断食』という本を知り、チャレンジしたのですが、飽き性の私が2年以上も続けられた理由は 「やれば確実に体重が減る」 これに尽きます。 1日食べなければ、確実に1…

『鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』

『鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』(朝日新聞出版)という本を読みました。 鴻上さんのコラムは好きで、週刊SPAの連載『ドン・キホーテのピアス』は毎号読んでいますし、英国留学の体験記『ロンドン・デイズ』も印象に残っ…

『新宿二丁目』

『新宿二丁目』(伏見憲明著:新潮新書:2019年)を読みました。 感想はたった一言。 面白かった! 新宿二丁目という世界でも類を見ないゲイタウン(正確にはLGBTの町)がいつ、どうやって成立したのかを、克明に追ったルポルタージュです。 200冊近くの文献…

『深夜バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』

『深夜バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』を読みました。 バスの本ではなく、大阪住まいのライター、スズキナオさんのコラム集。これが、実になんとも愉快だったのです。 「あなたの知らない『昼スナック』の世界」 「廃車になったバスの中で絶品の和歌…

『「ない仕事」の作り方』

先日、友人主催の読書会に参加しました。 課題本は、私の選書で『「ない仕事」の作り方』(みうらじゅん著) みうらさんといえば、「ゆるキャラ」や「マイブーム」など多彩な活躍で知られるサブカル界の人気者。そのみうらさんが、自身の仕事術をすべて公開…

『ナガサキ 消えたもう一つの原爆ドーム』

衝撃の一冊でした。 1945年(昭和20年)8月の原爆投下により、焦土と化した広島と長崎。 広島には原爆ドームという遺構が保存されているにもかかわらず、長崎には何もない。離れた場所に、後で建てられた平和祈念像はあるものの、投下地点には何も残されて…

『哲学の先生と人生の話をしよう』

先日、オンライン読書会に参加しました。 対面型の読書会は何度も経験しているけれど、オンラインは初めて。どうなるのか?と少々不安でしたが、ファシリテーター氏の進行が上手で「こういうやり方もあるんだな」と驚きました。 課題図書は、『哲学の先生と…

ブックカバーチャレンジ(後編)

ブックカバーチャレンジの後編です。 前編はこちらです。 bluesnake.hatenablog.com ■5日目 【書名】これだけは見ておきたい桜 【著者】栗田勇、久保田淳ほか 【発行日】1986年(昭和61年) 【出版社】新潮社(とんぼの本シリーズ) 残念ながら、この春は桜…

ブックカバーチャレンジ(前編)

フェイスブックで「ブックカバーチャレンジ」というイベントに参加しました。7日間、好きな本を紹介していく企画。その記録をブログにも綴っておきます。 ■1日目 【書名】マンガ狂につける薬 —下学上達篇— 【著者】呉 智英【発行日】2007年6月1日【出版社】…

『一流の人をつくる 整える習慣』

『一流の人をつくる 整える習慣』という本を読みました。 友人が勧めてくれた本ですが、読み応え十分。 著者の小林弘幸さんは、順天堂大学医学部教授。自律神経研究の第一人者。不勉強で知らなかったのですが、メディアへも数多く出演しているそうです。 以…

図書館のありがたさ

大阪市の図書館が3月初旬から休館している。 当初は3月21日に再開の予定だったが、新型コロナウィルス感染が拡大して、4月3日まで延長された。西区の中央図書館をはじめ、24区にある分館もすべて閉鎖。 大変困っています。 仕事の資料は、ほぼ図書館で借り…

『月曜断食』その後

2019年の私的ニュースは、断食を始めたことです。 昨年の秋、「ガンに打ち勝つ食生活」という講座に参加したのですが、そこで久しぶりに体重を測りました。 体重計に乗った瞬間、アチャー!マズい、マズすぎる。史上最高の数値を記録していたのです。 なんと…

「圏外編集者」という生き方

先日、関西ライターズリビングに行ってきました。 この会は、ライターや編集者などライティングに携わる著名人を招いて、その仕事術をうかがう会です。9月のゲストは、編集者・ライターの都築響一さん。「圏外編集者」というタイトルがふさわしい、まさに異…

活字でしか伝えられないもの

先日、「関西ライターズリビング」というトークライブに行ってきました毎回、作家やライター、編集者など文筆にまつわるゲストを招いて、仕事術を聞く会です。 今回のゲストは、小説家の塩田武士さん。 塩田さんといえば、グリコ森永事件をモチーフにした『…

『なるべく働きたくない人のためのお金の話』

大原扁理さんの『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(百万年書房)を読みました。 大原さんは1985年生まれの33歳。高校時代に引きこもりを体験し、卒業後に上京。家賃7万円のシェアハウスに住み、アルバイトを始めたものの、がんばって働いても貯金…

美智子さまと新美南吉

いま、新美南吉の詩を読んでいる。 新美南吉といえば『ごん狐』や『手袋を買いに』で知られる童話作家だが、詩も書いていたことを、最近になって知る。 きっかけは、4月に放送されたNHK「運命 天皇の物語」第4話「皇后 美智子さま」 美智子さまは、幼少のみ…

神田松之丞の陰

先日、神田松之丞の独演会に行ってきた。定員1300人のホールが即日完売するほどの人気。友人がレアチケットを取ってくれたので、初めて生で聴くことができた。 「源平盛衰記 扇の的」 「万両婿(小間物屋政談)」 「中村仲蔵」 軍紀もの、滑稽もの、大作人情…

月曜断食

「月曜断食」を始めて1週間。昨日、2度目の断食日をクリアしました。 月曜断食とは― ・週1日は、何も食べない(水を1.5リットル程度飲む) ・週4日は、野菜など体に良い物を食べる ・残り2日は、何を食べても自由(ただし量は控えめに) ■よかった点 ・料…

行動(doing)と存在(being)

『ひきこもりでいいみたい 〜私と彼らのものがたり』 最近読んで深く共感した一冊。 著者の芦沢茂喜さんは、山梨県中北保健福祉事務所に勤務するソーシャルワーカー(精神保健福祉士、社会福祉士)。数多くのひきこもりの人たちと接した体験を通して得た「具…

文章は素材が9割

ノンフィクションやビジネス書を読んでいると、「この本、わかりやすいなぁ」と思うことがある。奥付けを見ると、構成「上阪徹」と記されていることが多い。 そんな上阪さんが、自分の文章術を披露した『10倍速く書ける超スピード文章術』。これがすこぶる面…

デジタルデトックス

2月19日の「クローズアップ現代+」で、スマホが「脳過労」の原因になっていると追究していた。 スマホに依存するあまり、もの忘れが激しくなり、判断力や意欲も低下するそうだ。東北大学の調査によると、スマホを使う時間が長い子どもの大脳に発達の遅れが…

春だから本を読む

元日の朝はパンとコーヒーで始まり、2日には部屋の掃除に精を出し、今日は淡々と仕事をした。昨年は個人的に変転続きだったので、今年は腰を落ちつけ、ドッシリ構えたいと思う。そんな年のはじめ。 年末の読書会の後、主催者が以下の本を薦めてくれた。「早…

ミュージシャン孔子

一気に秋。今日など「涼しい」を通り越して「寒い」ほどである。仕事が一段落したので、ひさびさに読書三昧。カラッと晴れた秋の午後、窓辺に寝ころんで、老猫の腹をなでながら、本を読む。あぁ、至福のひととき。 本日、読み始めたのは『上代支那正楽考』(…

愛すべき「お部屋」

先日、論語塾のあとで、メンバーと飲んだ。その席で、読書家のワシャさんから面白い話を聞いた。 坂東眞理子の書斎が、汚い。 坂東先生といえば、ベストセラー『女性の品格』の著者。きっと、ゴミひとつ落ちてない、女性美あふれる部屋で仕事をされているに…