スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

ラジオ・デイズ


朝、起きられず。一日、パジャマのまま過ごす。完全に病人。『蟹工船』の毒がまわったか。


VDT症候群に罹ってから、ラジオを聴くようになった。音だけ、というシンプルさが、不健康な身体にちょうど良いのだろう。不思議なもので、聴覚を働かせていると「創作脳」が活性化しますね。言葉が次々とわいてくる。それも「塊ごと」ふってくる、といった状態。怪我の功名、ここにあり。


夜、NHKラジオ第一今夜も大入り!渋谷極楽亭」を聴く。この番組、4月から柳家喬太郎がレギュラーに加わったのだが、今宵は、その初登板。キョン師、緊張した様子もなく飄々とトークをこなし、技量の違いを見せつける。当意即妙はお手のものだ。


ゲストは、長唄ユニット「伝の会」の二人(ちなみに両名とも三味線方)。この二人、喬太郎とは時々ジョイントライブを開いており、評判も高い。番組の後半、長唄の即興演奏入りの落語を披露。有名な小咄「隣の空き地に囲いができた」を、5分の物語に仕立てるという粋な仕掛けだ。


噺自体は、かわいらしい掌編だったが、ラジオで聴くと、つくづく感じますね。喬太郎が人物を演じ分ける技術の的確さを。この噺、5分の間に職人、侍、隠居、船頭、若衆、町娘など10人以上の人物が出てくるのだが、すべてが、まったく、別人。プロの話芸者としては当たり前のテクニックなのだけど、意外とダメなベテランが多かったりする。



番組には「S盤アワー」なるコーナーも。なつかしの昭和歌謡を紹介する企画。これがかなりマニアック。キョン師、中学時代に買った思い出のレコードをかけたのだが、なんと、古谷一行。渋すぎる。(古谷さん意外と歌がうまい。驚きました)このあたり、裏道好きの素顔が垣間見えそうで、今後のはじけっぷりが楽しみ。