朝8時から厄介な打ち合わせをこなし、理不尽な原稿訂正を猛スピードで処理し、企画書の草稿を書き上げて某社へ顏を出したら、複雑怪奇な人間関係に疲労困憊した某嬢に泣きつかれ、図書館では簡単な基礎文献さえ見つからず、原稿の進行具合をチェックしてみたら、一瞬、気を失いそうになりつつも、なんとか取材先をまわり、ヨレヨレになって家にたどり着いたその瞬間、テレビに映った険相が目に飛び込んできた。
辞任会見。
あぁ、君、語りたもうことなかれ。
一刻も早く家に帰ってください。ゆっくりと休んでくださいよ。
声に出して言いそうになる。
狂気も正義も享楽も、何事も貫徹するには、健全な肉体が必要なのである。その、いかんともし難い事実を、イヤというほど実感させられている今の私には、安倍さんを直視することはできなかった。
疲れたときは、人間、休め。
ただ、それだけ、である。