スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

もったいない

bluesnake2008-04-11


TBSの金曜ドラマ『Around 40』を見る。


40歳を前に、迷い、揺れる女性のドラマということで、同世代としては興味津々だったのだが、初回を見るかぎり、あれれれ、という印象。


悩める主人公に天海祐希。これが、どうにもミスマッチ。


脚本が「僕の生きる道」を手がけた橋部敦子なので、生き方をさがす40歳をナチュラルに描こうとしているんだけれど、天海祐希では、橋部脚本の「等身大感」は醸し出せず、変に浮いてしまっている。夏川結衣か、石田ゆり子が適役だったように思うんですが……。天海祐希を引っ張ってくるなら(TBS初主演だそう)もっと颯爽とした生き方を提示する作品が良かった。『女王の教室』や『離婚弁護士』のような社会派ドラマで、サブテーマとして「四十歳の迷い」を描くという路線もあり得ただろうに。


それにしても、天海祐希って、やっぱり花形役者なんですね。ビジュアルも、スケールも、ブラウン管には納まらない人なのだ。どう考えても舞台の人なんですよ。改めて思いましたね。


かくいう私は、天海嬢の舞台を一度だけ見たことがある。劇団☆新感線の『阿修羅の瞳』(2003年)だ。天海祐希は、闇のつばきという女盗賊の役で、舞台に現れた瞬間、劇場の観客すべてをさらっていくかのようなオーラを放っていましたね。立ち姿だけで、もう圧倒的な存在感。主演の市川染五郎を目当てに行った私も、幕が降りることころには、すっかり天海祐希のファンになってしまったほど。舞台の天海姐さんは、カッコイイのですよ。


宝塚を退団した後は、あまりにも舞台の仕事が少なくて、どうにも宝の持ち腐れとしか思えない。個人的には、蜷川幸雄ギリシャ悲劇シリーズや、帝劇のミュージカルにもどんどん出演してほしい。テレビで、こじんまりと演技している人じゃないんだから。