スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

至福の夏プラン

bluesnake2008-07-25



OSKの南座公演は、夜の部を選んで正解だった。終演が7時。劇場を出ると、そこは黄昏の鴨川べりで、涼やかな川風が渡ってくる。これが気持ちいいのなんの。昼間は燃えるようだった京都の街も、日が落ちると別の顔をのぞかせるんですね。一瞬にして、京の宵に魅入られました。


今回は都合で、終演、即、帰宅ってスケジュール。これが、あまりにも残念でした。


公演がはねた後は、レビューの余韻を楽しみながら、ぜひとも木屋町先斗町へ繰り出すべし。川床で熱を冷ましつつ、冷酒とハモ料理なんか味わって、夜の祇園へ足を踏み入れれば、これぞ、夏ならではの至福のコースでしょう。願わくば、祇園界隈のラウンジでOSKのみなさんが、シャレたナイト・ライブなどやってくれたら、最高。昼夜公演の後、さらにステージに立つのは、相当にヘビーでしょうが、アスリート並みの体力を誇るOSKなら可能かも……なあんて、妄想がひろがっております。本当に企画して欲しいなぁ。


OSKの南座公演は、昨年、52年ぶりに復活をしたそうだ。昨年は秋興行だったが、今年は祇園祭のシーズン。この選択は、ナイスでしたね。なにより、街が熱気を帯びている。艶っぽい夏の風情を孕んでいる。そんな空気とレビューが、実によく溶け合っているんですね。


祇園祭の熱気をうまく取り込んで、劇場の中も外もお祭りムードというふうに持っていければ、夏の公演は、おもしろくなると思う。三連休があるし、全国から観光客がやってくる。いやいや、京都ですもの、世界中から御人がやってくるじゃありませんか。観光客に日本のレビューを体験してもらう最高のチャンスですよ、これは。パリの「ムーランルージュ」や「リド」も観光客で保っているわけだし、ラスベガスだって客層は世界規模だしね。京都も負けちゃいられない。


ギオンコーナーで伝統芸能を見聞するのも一興でしょうが、OSKの和物レビューも、まさにジャパニース・エンターテーメント。日本情趣が濃厚なんですよ。だから、外国人への受けは、タカラヅカ以上じゃないかな。それに、タカラヅカは芝居に重心を置いているので、日本語がわからないと入り込めない部分があるけれど、ショーが主体のOSKなら、無問題。まぁ、このあたりは好き好きですが、せっかく日本へお越しいただく観光客の皆様には、迫力の和物レビューで、今を生きる日本の芸能を堪能していただきたいです。


新規顧客を開拓するのに、日本最強の京都ブランド力を利用しない手はない。企画、宣伝面で知恵を絞れば、夏の京都公演は大化けするかもしれません。そんな予感がします。