スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

衣裳萌え

bluesnake2009-01-16



2009年初観劇。リニューアルされた宝塚大劇場へ行ってまいりました。


チケットを予約せず、ふらりと劇場へ。で、B席をゲットして、いざ2階席へ行ってみると、あちゃー! そこに蠢くのは、紺ブレザーの大軍団。200人近い中学生。私の席は、彼らのすぐとなり。


かつて、他の劇場で、何度かこういうシチュエーションになったことがある。その度に、騒々しさにゲンナリさせられた。なので、今日も上演前からあきらめモードだったのだが……意外や意外、中学生諸君、とっても礼儀正しいのだ。私語もなく、男子もちゃんと観ている。


できる。なんか慣れているぞ、この子たち。


と思って訊いてみると、地元の中学校のみなさんでした。課外授業なんだそう。宝塚の中学校は、授業で歌劇を観るんですね。いやー、うらやましい。私なんぞ四国の田舎だったから、校外学習なんてのは映画がせいぜい。それも文部省推薦の、娯楽テイストゼロの作品ばかりでしたよ。(中学生に萬屋錦之助の「日蓮」を見せてどうする?)


さて、公演は「大王四神記」、韓流人気ドラマの舞台化。原作が全24話もある大河ドラマだけに、2時間半にまとめるのは難業だろうな、と思っていたんですが、タカラヅカはやってしまうのね。しっかりとミュージカルになっておりました。感心。やや詰め込みすぎた感はあるものの、権力ではなく「愛の力」で次代を拓くというテーマもわかりやすく、原作を知らない私にも十分に楽しめた。


印象に残ったのは、衣装と音楽。衣装が、とにかくカッコイイ。高句麗のイメージを押さえつつ、現代的なテイストを織り込んでいて、なかなかの手腕。戦闘服(日本でいうところの甲冑?)の重厚感、ダークさには惚れ惚れ。とりわけ大空祐飛(ヨン・ホゲ役)の衣装が良いです。かなり抑えた色調で、ある意味、宝塚らしくない地味さだけど、きれいなんですよ。大空さんのスレンダーな立ち姿に、よく似合っておりました。東洋のコスチューム好きな私(ふふふ、そうなんですよ)としては、たっぷりと目の幸福を味わう。


惜しむらくは、ラインダンス。


ラインダンスは、芝居からショーへの移行部分に挿入されるんですが、ここだけ衣裳が、なぜか「洋装」。定番の羽根つきレオタード。なので、オリエンタル〜な空気で盛り上がっていた舞台が、「いつものビジュアル」で一瞬にして現実に引き戻される感じ。かなりの違和感。衣裳予算を使い果たして、ラインダンスまでまわらなかったのだろうか? BGMは朝鮮の民族音楽風にアレンジされ、いい感じだったので、ラインダンスもぜひ東洋風の扮装をお願いしたい。個人的に。


しかし、わずか2ヶ月余りの上演のために、企画を立ち上げ、脚本を書き、何百着もの衣装を作り、セットを組み、作詞作曲をする宝塚歌劇の上演スタイルって、考えてみれば、ものすごく贅沢なことだよな、と実感。改めて、スタッフワークの厚みを感じました。ブロードウェイならば……まぁ、あちらは予算が違うけれど……当たれば徹底的にロングランして、モトをとりますから。


年のはじめから、ぜいたく三昧。ちょっといい年になりそうな予感。