マンマ・ミーアに思う
ミュージカル・ファンである仕事仲間T嬢の「絶対に見るべし」という熱烈推薦の弁に推されて、久しぶりに四季の舞台を観ることになった。
思えば、ここ2、3年「男女混合」の舞台ってものをほとんど見ていない。歌舞伎、文楽、狂言、OSKに、タカラヅカ。女形文化と男役文化にどっぷりと染まり、かなり趣味嗜好が偏ってしまった身だ。ついていけるだろうか。一抹の不安があった。
果たして、予感は的中。T嬢には申し訳ないが、わたしは萌え……いや、燃えられなかった。
だって、ピアノ演奏がお出迎えしてくれないし(フツーはない)
トップスターの開演アナウンスもないし(四季はスター制度じゃないからね)
大階段も銀橋も花道もないし、生演奏じゃない(作品による)
羽根しょってないし(当たり前じゃ)
男が男を演じてるんだもん(それが世間の常識!)
いや、「マンマ・ミーア!」はよくできた舞台だった。従来のミュージカルに、ライブのノリを取り入れることで、今の観客のニーズをうまくとらえている。プロの歌やダンスに感動したい。その上で、自分も発散したい、元気になりたい。そんな欲望を充足させてくれる、一粒で二度おいしい作品。ヒットしたのも大いに納得。
ゆがんでしまったのは、この私だ。いかん、リハビリしなきゃ(笑顔)