はやくも桜満開
近所の小学校で、はやくも桜が満開に。早咲き種なんでしょうが、3月もまだ10日なのに、春爛漫と咲き誇っております。
「春のおどり」初日まであと4日。
劇団員のみなさん、昨日は道頓堀界隈への挨拶まわり、法善寺への成功祈願もされた様子。私もすっかり「桜モード」になっておりますですよ。で、ブログのデザインもちょっと春仕様に(笑)
「春のおどり」のウキウキ感をみごとに表現した一節を見つけたので、ご紹介。
しかしOSKが大阪人を嬉しがらせたのは、何といっても、ミナミの大劇の「春のおどり」であろう。これを観ないと、〈何ちゅうたかて、春は来えへん〉と、父などもいっていたものだ。
春。OSK。大劇。春のおどり。
ーーーと、まあ、こんな具合に、大阪人の連想は働く。私たち子供も、どんなに春のおどりを心待ちにしたことか。私のうちは大家族であったので、家内一度の総見、ということはできない。休みの日に何度かに分けて観にいく。私たち子供は、父や母、そのどちらかに引き連れられて観にいったものだ。
テンポの早い舞台、シルクハットに黒の燕尾服の男装の麗人や美女が、たっぷり唄と踊りをくりひろげて堪能させてくれたあと、さァ、いよいよラストの「さくら咲く国」が唄われる。
出演者全員が造花の桜満開の舞台に並び、いっせいに絵日傘を閉じたり開いたりしつつ、「さくら咲く国」を大合唱、シルクハットにも美女の髪ににも、華麗な衣装や装置にも、紙の花ふぶきが舞い散る。交錯するライト、いっせいに開き閉じる絵日傘、もう爛漫の春そのもので、陶酔した観客は、誰からとなく、われ知らず、もろともに唄う。唄声は劇場内にこだまし、うねるのである。
桜咲く国 さくらさくら
花は西から東から
ここも散りしく アスファルト
桜吹雪に狂う足どり
桜咲く国 さくらさくら
花はささやく くれないの
夢にほころぶ シャンデリヤ
桜吹雪の晴の舞衣
田辺聖子『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代(上)』14ページ