スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

SONG For You

行ってきました。桜花昇ぼるオンステージ「SONG for you」(奈良県斑鳩町・いかるがホール)。


南座の千秋楽から、たった5日のインターバル。それなのに完成度の高い舞台で、OSKの底力を見た気分。「SONG〜」というタイトルから、コンサート形式だと勝手に思い込んでいたのだが、1時間の見応えのあるレビューだった。


冒頭、15分程度のミニ・ミュージカルで始まる。聖徳太子(桜花昇ぼる)が苦難に遭いながらも、愛と平和のために生きて行こうと決意する、そんなストーリー。聖徳太子といえば、私は『日出処の天子』のクールな厩戸皇子を思い浮かべてしまうのだが、桜花さんが演じると、聖徳太子も激情のヒトになる。戦いの絶えない乱世に悩み、苦悶の果てに己の生き方を見出していく青年太子。ミニ版じゃなくて本格的な舞台を観たいなあ、と思っていたら、あとで報告があった。来年2月、遷都千三百年祭の一環として、斑鳩聖徳太子ミュージカルを上演することが決まったそうだ。


続いて、映像による出演者の紹介。そして、近々の活動報告。今年の「春のおどり」、終わったばかりの「レビューin Kyoto 3」の様子も紹介される。仕事が早い。


その後、今春入団の85期生のお披露目。袴姿の7名が口上を述べ、「ラ・マンチャの男」の名曲「見果てぬ夢」を歌う。いま、この時期に、他ならぬOSKに入団しようという方々だから、舞台に賭ける情熱は並々ならぬものがあるのだろう。彼女たちの決意に客席も揺り動かされたようで、拍手がひときわ大きかった。プロとして生きていくのは大変だけど、がんばってほしい。応援してます。


後半は、桜花さんを中心に盛りだくさんの歌とダンス。「Born to love you」など、南座公演にはなかったハードロック、ヒップホップも登場して、かなり得した気分。こういうアップテンポの曲になると、俄然、OSKの身体能力が生きてくる。とりわけ、貴城、香月、悠浦、愛瀬の男役4人が踊った「Choo Choo TRAIN」が良かった。いやあ、跳ねる跳ねる。ほとんどバネのよう。レビューダンサーなので、彼女たちは「見せ方」を知っている。だからストリート・ファッションでヒップホップを踊っても、崩れない。美しい。EXILEも顔負けでしたよ。若手男役でヒップホップ・ユニットを組んで売り出せばいいのに、と勝手に妄想してしまう私。


面白かったのは、劇団員がそれぞれの出身地を紹介するくだり。他の出演者がテンポよくコメントする中、愛瀬さんがイイ味(?)を出していた。故郷(鹿児島県・薩摩川内市)のことを何かしゃべりたい、しゃべらねば、と気負ったのだろうか、かなり緊張した様子。「サツマセンダイには大綱引っていうスゴイお祭りがありまして……とにかくスゴいんです。ええっと……9月に鹿児島へ来られる方がいらしたら……ぜひともいらしてくださいっ」。どこへ着地するのか、ちょっとハラハラした。舞台では、入団2年目にも関わらず貫禄さえ漂わせる愛瀬さん。なのに、素はおとぼけ……いや、意外と可愛いいんですね。


(続きます)