スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

本を読む意味

私にしてはめずらしく、静かに本を読む日が続いている*1電子書籍もいいけれど、寒い時季には紙の質感がうれしい。手ざわりに癒されるというのだろうか。

全体が沈むのと、個人が浮き上がるのは、別のことであるだけでなく、むしろ「何事もやりやすくなる」面も濃厚になることも、その一つ。
例えば、最近の若者の多くが手紙を書かなくなった、本を読まなくなったと嘆かれる現在、むしろ「ここぞ」というときに心を動かす手紙を認(したた)めるとか、本をたくさん読んで使えるものは即行動に移し、単なる知識ではなく諸問題の構造をきっちりと理解し、あるいは純粋に読書や知的雑談を楽しむことは、相対的に以前より価値を増すことになるに決まっているわけです。

「ガッキィファイター」2009年12月18日号より

2010年は国民読書年だそうだが、そんな号令とは関係なく、本を読むのが愉しく面白い毎日。


もっか読み続けているのは『大不況には本を読む』(橋本治中公新書ラクレ)。私の日常をズバリ言い当てたようなタイトルだ。この題名から「読書ガイド」と思われがちだが、大半は歴史と経済の話。一昨年秋からの世界的狂奔。それはいったいナンだったのか? この疑問に最も「臓腑に落ちる答え」を返してくれた本だった。あまり話題になってないようだが名著だと思う。いつもより抑え気味の「橋本節」が、迫ってくる。

*1:いや、OSKのことを忘れてるわけじゃありません。来週の「YUKIMURA」、超期待しております。久しぶりなので、前夜、眠れるだろうか、というぐらい。