ネーミングライツ問題
大阪市立中央図書館が、ネーミングライツで「辰巳商会中央図書館」になるという。
図書館のような文化施設に民間の名前を付ける。その精神に唖然とするしかない。しかも、年額わずか200万円。こんな些細な金額で名前を売り飛ばすとは、大阪市はそんなに財政難に陥っているのか。
https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000479201.html
中央図書館は、蔵書225万冊を誇る大阪文化の要といっていい場所だ。全国の自治体でも最大級の図書館である。それが、こんなチンケな名前になるとは、呆れてものが言えない。
ネーミングライツは、本来、スポーツを応援するために始まった。資金が必要なスポーツ組織を応援する意味で、企業が命名権を買う制度だった。「京セラドーム大傘」はその好例だろう。
とはいえ、ネーミングライツは、利用者にとって混乱を招くだけだ。大相撲を行う大阪府立体育館は「エディオンアリーナ大阪」だし、名古屋の市民会館にいたっては「日本特殊陶業市民会館」(中ホール)」と「フォレストホール(大ホール)。ホール別に名称が違うありさま。その上、名古屋市総合体育館という複合イベント会場は「日本ガイシホール」である。コンサートなどで間違って行ってしまう観客が多い。
ちなみに、大阪の図書館の権利を購入した株式会社辰巳商會は、こんな会社。
海運、陸運をはじめ幅広く運送業を手がけている大企業だ。年額200万円の出費は屁でもないだろう。