ブックカバーチャレンジ(後編)
ブックカバーチャレンジの後編です。
前編はこちらです。
■5日目
【書名】これだけは見ておきたい桜
【著者】栗田勇、久保田淳ほか
【発行日】1986年(昭和61年)
【出版社】新潮社(とんぼの本シリーズ)
残念ながら、この春は桜を見に行けませんでした。
せめて誌上で花見を楽しもうと、取り出してきた一冊。
全国の桜の名所が紹介されており、心がなごみます。
表紙は小田原・長興山の枝垂桜。
来年は、北国の桜を見に足を伸ばしたいです。
■6日目
【書名】大阪人 第59号
【発行日】2005年5月
【発行】財団法人大阪都市協会
月刊「大阪人」2005年5月号です。
「大阪人」は大阪の文化を紹介していた月刊誌です。大阪市政の悪しき改革により、2012年に廃刊してしまいました(橋下のせい!)
この号は演劇特集を組んでいて、維新派や今や大人気の劇団新感線、リリパットアーミー、桃園会など大阪生まれの劇団が勢揃い。
表紙は維新派の役者さん。維新派の舞台は普通の演劇ではなく、街を出現させて、そこで祝祭を行う。そんなパフォーマンスが好きで、何度か見に行きました。維新派も精華小劇場も無くなってしまいましたが、大阪の良き文化を作った功労者だったと思います。
そして。
「関西人の東京異聞」という連載で、人気ライターの吉村智樹さんが登場。仕事関係でお世話になっていますが、今も変わらずエネルギッシュな方です。
■7日目
【書名】Switch第59号
【発行日】1994年1月
【発行】スイッチ・コーポレーション
2001年に63歳で他界された、落語家・古今亭志ん朝師匠の特集です。
写真はすべて操上和美氏の手によるもの。高座で見せる温和な姿とは裏腹な、師匠の内面を切り取っているように感じます。
今では、こういったカルチャー誌に落語家が登場するのは珍しくありませんが、25年前は非常に少なかった。表紙の、どこか不思議な表情が気になって買った一冊です。
余談ですが、私が落語ファンになったのは志ん朝師匠のおかげなのです。25年程前に立ち寄った浅草演芸ホール。そこで聴いた「紙入れ」が素晴らしくて、落語熱に火がついたわけで。
その後、何度か聴く機会がありましたが、いちばん印象に残っているのが、国立劇場での「夢金」。冬の大川(隅田川)が舞台になっていますが、志ん朝師匠の上に本当に雪が降り積もる光景が見えたのです。言葉の力を感じた瞬間でした。ちなみに中村勘三郎さんも志ん朝師匠のベスト1に「夢金」をあげておられました。