『深夜バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』
『深夜バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』を読みました。
バスの本ではなく、大阪住まいのライター、スズキナオさんのコラム集。これが、実になんとも愉快だったのです。
「あなたの知らない『昼スナック』の世界」
「廃車になったバスの中で絶品の和歌山ラーメンを食べてきた」
「スーパーの値引き肉だけで半額焼肉パーティー」
「六甲山系の登山道を自力で整備した「えっちゃん」のモダン焼きを山頂で食べる」
「カップヌードルに入れるとおいしい漬け物を検証」
こんな感じで、お金をかけずにできる「ちょっとした楽しみ」を見つけて体験してみる。(かかった費用は、どれも1,000円程度だと推察)。そんなスタイルの記事が並んでいます。
脱力系とも癒し系とも違う、不思議なコラムですが、マイペースで楽しんでいるスズキさん。
思えば子どもの頃は、お金を使わなくてもできる楽しみがたくさんありました。木に登って柿をとったり、池でフナを釣ったり、河原で石投げをしたり。田舎育ちなのでこんな遊びばかりでした。大人になって忘れてしまった「身近にある幸福」を、ふと思い出させてくれる一冊でした。
そういえば、メーテルリンクの童話『青い鳥』もそうでした。チルチルとミチルが、幸福の象徴である青い鳥を探しに行くものの、結局、幸福は自分たちの身近にあった。そんな話でしたね。
スズキさんは、WEBメディアにもたくさん記事を書いていますが、最近、惹かれたのはこちら。