スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

隠蔽される実態 ETV特集「ドキュメント 精神科病院×新型コロナ」

2021年のことですが、どうしても書いておきたいと思います。

それは、2021年7月31に放送されたETV特集「ドキュメント 精神科病院×新型コロナ」についてです。

コロナ禍で精神疾患を持つ患者はどうなっているのか。その実態を知るため、東京で最大の病床を持つ精神科病院、都立松沢病院を1年間追ったドキュメントです。

 

www.nhk.jp

まず、精神疾患を抱える人がコロナに感染すると、行き場がなくなる。
しかし、なんとか受け入れようとする松沢病院のスタッフ。
カメラは、その奮闘が実に生々しく捉えていました。

 

不勉強にも知らなかったのですが、日本は世界の精神科病床の2割を占めている精神科大国だそうです。こちらの東洋経済の記事にも詳しく載っていますが、精神科は「ベッド数を多くして稼ぐビジネスモデル」になっているのが現状なのです。

 

toyokeizai.net

特例措置により、精神科は他の診療科に比べて、医師や看護師数が2分の3で済むという現実も。結果、人件費が安く済むため、悪質な業者が開業するケースもあるそうです。

 

番組ではイニシャル表記でしたが、都内のYという精神科病院が凄まじかった。
コロナの陽性が判明した患者を、大部屋に集めて治療をせずに放置。部屋にある、仕切りのないトイレで用を足させたり、外から南京錠をかけるといった不法行為を繰り返している。保健所が調査に来ると、まずい部分は隠してしまう(それで帰る保健所職員も職務怠慢としか言えない)

 

海外では精神科患者を病院ではなく、社会へ出て、ふだんの生活をしながら地域で見守っていく。そういう治療が主流になっています。
しかし、日本は真逆の状態。この落差に愕然とするしかありません。