雪見散歩

久々の休み。天気予報通り、昼前から雪が降りだす。おぉ、雪見酒だぜ。こういうときのためにと、買っていた「どぶろく」を引っ張りだす。先々月、信州・飯田のそば屋でみつけた逸品なり。

酒はあるけど、アテがない。ということで、雪の降りだした街へ出かける。近所の店へ行くつもりだったのだが、せっかくの雪だもんなと、足の向くまま浮かれ歩いてしまう。このあたりが南国生まれの能天気さってヤツ。

雪化粧した寺院を見て「金沢だ、兼六園だわ」と悦に入り、竹林を眺めては「雪舟の水墨画じゃ」などとプチ情趣に浸っているうちに……ん？　降ってくるものがヤケに重い。しかも、ジットリ。いつの間にか、みぞれに変わっておりました。サクサク歩いてきた路面は、たちまち水路に早変わり。食べ残したかき氷状態。痺れそうなほど冷たい水に浸かりつつ、よろよろと帰宅して、速攻でコタツに潜り込む。

とはいえ、やはり雪は良いもの。なんといってもクルマの往来が少なくなるのが、一番。街はシンと静まり、自分の足音を確かめることができるのだから。

ほんのひとときの雪見散歩だったけれど、なんだか得した土曜の午後。