あたたかな一夜
大学時代の友人と、ささやかな食事会を開く。
大学卒業以来、20年以上続いている師走の恒例行事だ。途中、メンバーの結婚、転勤、療養などで中止の危機はあったものの、今年もなんとか旧友とテーブルを囲むことができた。しみじみとうれしい。
思いおこせば、社会人1年目の冬。当時は1980年代の末、泣く子も黙るバブル膨張期。(そう、わたし、バブルど真ん中世代なんです)クリスマス・ディナーに2万、3万なんて値が平気で付いた時代。私たちも、ちょっと奮発して某ホテルのレストランに集まった。たしか会費は7000円。22歳のヒヨッ子の分際で、7000円なんて大金を、なーんの躊躇もなく払ってましたね。
それから幾星霜。会場は、ホテルのレストランから、カジュアルな店へ、そして居酒屋へと場所を移す。
今年は、メンバーの「財布の寒さ」を鑑みた幹事氏の奮闘努力の末、超リーズナブルなイタリア料理店が選ばれた。驚くなかれ、会費は1800円。
7000円→1800円。
これぞ、この20年の日本経済を象徴する、まごうことなき、スーパー・プライス・ダウン!
でも、中身は充実しておりました。前菜のサラダに始まり、チーズ・フォンデュ、魚介類のクリームパスタ、きのこのピザ、牡蠣のパエリア、そして、デザートは3種類も。味よし、ボリューム満点で、私はパスタあたりで、もう満腹になるほど。それでも、デザートまできっちり食べましたが(笑)
バブルの頃の7000円ディナーよりも、今夜の料理の方が、はるかに美味しく感じるのは、私も、日本も、ようやく目が覚めたから……かもしれません(遅すぎっ)