スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

大大阪観光

bluesnake2009-05-16



緑あざやかな季節。


4月以降、仕事の方は亀の歩み状態。ゆるゆるとやっております。収入は減ったけれど、その分、体調よろしきこと、この上なし。3月までのストレスフルな生活がウソのようだ。せっかくなので、このロング・バケーション(になるのか?)を有効活用せんと、あちこちへ出かけている。もっぱら安・近・短。


先週は、大阪大学総合学術博物館へ。開催中の特別展「昭和12年のモダン都市 観光映画『大大阪観光』の世界」を見てきた。


これは、昭和12年に作られた『大大阪観光』という映画をもとに、大正から昭和にかけ、モダン・カルチャーを花咲かせた大阪の都市文化を再考しようという企画展。お目当ては当時の芸能資料だったのだが、映画も展示も予想をはるかに超えた見応え。おもしろい。とりわけ、モノクロ・フィルムに残された大阪の街並みの美しさには驚かされた。近代建築が並ぶ中之島が一瞬、パリに見えるほど。ホントにきれいです。


展示物はというと、かなり多岐に渡っている。中でも芸能関係は秀逸。上方歌舞伎から新派、新国劇、新喜劇(松竹系)、花街芸能、レビューと、わたくし的に「よだれもん」の資料がズラリ。見入ってしまったのが、戦前の松竹座のパンフレット。とにかく、スタイリッシュなんですよ。ただカッコイイだけではなく、大阪らしい諧謔精神もあって、なんといおうか、上質のユーモア精神に満ちている、そんな感じのテイスト。それもそのはず、かのプラトン社が製作していたというのだから、大いに納得。


大阪歌舞伎座、今はなき道頓堀五座、OSKのホームグランドだった千日前の大阪劇場、四ツ橋文楽座。どの劇場も印刷物が今とは比べものにならないほどオシャレで、思わず「これ、全部欲しい」と物欲の炎がめらめら。いかん、金がないというのに(笑)


この総合学術博物館、名前はいかめしいけれど、緑に囲まれたオープンテラスのカフェなどもあって、国立大学の運営とは思えないほどカジュアルな雰囲気。産学連携を旨とする「阪大スタイル」が随所に生きている。ミュージアム好きの方は、一度足を運んでみる価値があると思う。


ちなみに、この秋には、なんと、維新派の一大回顧展を予定しているそうだ。キャンパスでは、紅葉の季節にあわせた野外パフォーマンスもあるらしい。ちょっと血が騒ぎます。