スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

トカラ列島

bluesnake2009-06-09



友人Nくんが我が家へ遊びに来た。


Nくんは、数年前に知り合った旅仲間。先月半ばに仕事をやめ、現在、日本列島縦断の途中である。巨大なリュックに、テント+寝袋+七輪の3点セットを入れ、気ままなひとり旅だ。北海道を皮切りに本州、四国、九州をめぐり、めざすは皆既日食で話題の鹿児島県・トカラ列島だという。さっそく七輪で炭焼きパーティーを開き、Nくんから話を聞く。


来月22日に皆既日食があることは、その方面にうとい私も知っていたが、日本では、46年ぶりなんですね。しかも、今回は日食継続時間が最大で6分42秒。これは「今世紀最長」なのだそうだ。だから天文ファンならずとも、こぞって観測ツアーに参加するのか。ちなみに、別の友人も運よく鹿児島への航空券が取れ、日食を観にいくぞ、とはりきっていた。(大隅半島の先端・佐多岬では、太陽は完全には欠けず、糸のような状態になる。皆既日食ではないものの、本人はそれでもいいらしい)


聞けば、トカラ列島は、全島(12島)あわせて人口700人に満たない「最高僻地5級地」。当然、民宿の数は少ない。ツアー参加者は、大半が学校の体育館や校庭に設営されたテントで寝起きし、トイレ・シャワーは仮設を利用。食事は、島外からの仕出しらしい。しかも、真夏の南の島だ。気温はゆうに30度を超えるだろうし、日射しの強さもハンパじゃない。日食ファンの間でも、史上、最も過酷なツアーになるのでは……と言われているそうだ。


時間はたっぷりあるけど、お金のないNくん。船が混み合う時期をさけるため、今月中にはトカラへ入って、下見を敢行するという。問題は水と食料をどう調達するか、だ。まぁ、これまで世界中の秘境において、ほとんど現地人のように難なく生活してきたNくんのことだから、大丈夫だとは思うが……。Nくんはハブ捕獲の名人でもある。ツアーのみなさん、ハブの出没に困ったら、マサイ族のような風貌の大男を見つけ、料理してもらってください。


いや、Nくん、くれぐれも気をつけて。貴重な島の自然だけは壊さないように。トカラの島々、野趣あふれる温泉があるようなので、そのうち閑散期にでも、のんびりとまわってみたいですね。