スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

名古屋の道路

ひさしぶりに名古屋へ行ってきた。目的は中日劇場での宝塚月組公演。キリヤンのトップお披露目である。感想は改めて書くけれど、期待値が高かっただけに、不満が残る結果となってしまった。


さて、半年ぶりに名古屋を歩いて感じたのは、自分でも意外でしたが「きれいな街だな」ということ。中日ビルのロビーから見る久屋公園の街路樹、噴水、ガラス張りの三越テレビ塔。このエリアがしっかり都市計画に基づいて構築されてことを実感した。


街の中心部に緑があり、ビルと樹木が共存している風景は、人の心をおだやかにしてくれる。大阪にも街路樹はあるけれど、久屋公園ほど開放感のある空間はない。人間、たまにはポーンと広がった空間に身をおきたい生き物だ。そういう意味で、久々の名古屋は、縮んでいた心をほどいてくれた。


その昔、名古屋を舞台にした「白い街」という歌謡曲があった。歌っていたのは、石原裕次郎


「この道の はるか彼方の 雲流れる下に 幸福がある」


男女の淡い恋を描きながらも、この歌、実は「道路」が主役だと私は思っている。1番から3番まで、歌詞はすべて「この道の」というフレーズで始まっているのである。最初に聴いた時は「どうよ?」と思ったけれど、今は納得できる。100メートル道路に象徴される名古屋の広い都市空間。それは来訪者の心を捉える不可視のチカラを持っているのだろう。


名古屋は、いい意味で白く、清々しい街だ。