「春のおどり」感想(友人編)
今回の「春のおどり」には、友人Tさんが名古屋から来てくれた。Tさんは東京で極楽歌劇団の「落語の国のプリンス」を観て、北林作品に感心をもち、その流れから今回初めてOSKの舞台を観てくれることになった。
Tさんはプロのシナリオライター。舞台はジャンルを問わず幅広く観ており、批評は的確かつ辛辣。なので、一抹の不安を抱きつつ誘ってみたわけなんですが……。「おもしろかった」と喜んでくれました。「また観たい」とも言ってくれ、私もホッと一安心。
「桜彦」は続編なので「初観劇には不向きかも」と懸念を抱いていたのだけど、Tさんは「十分にわかった」とのこと。確かに脚本に整合性の取れてない部分はある。けれども、小さな穴はどうでもいい、と思わせるほど、舞台そのものに気魄があったそうです。(それは私もまったく同感)
以下、Tさんの感想。
- 桜花さんは、うまいねえ(としみじみ)
- 様々なジャンルの要素(歌舞伎、神話、ギリシア悲劇など)を盛り込んでいるのに一本の筋が通っている。アレンジ力がある。
- とにかく当て書きが秀逸。
- 「桜彦」は、現上演時間がベスト。これ以上長いとダレる。
- 歌、踊りの挿入が自然。まったく違和感がない。
- 映像の多用は残念(前回のあらすじだけで良いのでは?)
- 地獄の遊郭への転換が良い。
第2部に関しては、とにかく熱いねえ、と。群舞の連続だったので、もう少し変化のあるシーン、異色シーンがあっても良かったとのことだった。全体を通して「劇団としてのチカラを感じる」と言ってくれたのが、個人的には一番うれしかった。
Tさん曰く、いい舞台というものは、観客が「そこに行きたい」「その世界に自分も入っていきたい」と感じるさせるもの。OSKには、そういった誘因力があるそうです。