スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

大フィル初体験


大阪フィルハーモニー交響楽団の「星空コンサート」へ行く。私にとっては、初めての大フィル。以前から一度聴いてみたいと思っていたのだけれど、長らく住んでいた愛知県は、名フィルの牙城という環境もあり、大フィルの演奏をナマで聴ける機会は少なかった。

そんなわけで、念願かなっての初体験。場所は、昨秋のOSK野外公演でも使われた大阪城・西の丸庭園。ここをすべて使っての大規模なコンサートだった。

初めて聴く大フィル・サウンドは、いやあ、個性的な演奏でした。一言でいうと、熱い。メリハリがあって、ドライブ感が秀逸。全演奏者が一丸となって音を繰り出してくる。そんな感じだった。(これってOSK的かも)

指揮は、大フィル音楽監督大植英次。ナマの大植さんを観るのは初めてだったが、想像していたのとは180度違っておりました。世界的な指揮者だし、ポスターなどで見る御顔はハンサムだし、さぞかしダンディな紳士だろうと思いきや……とんでもない!

とにかく「おもろいオッサン」(失礼)。マイクを持って司会をやってのけるわ、ギャクを飛ばすわ、必殺仕事人のコスプレしてタクトをふるわ、最後は、飛び入り参加した平松市長と熱い抱擁までするわ、世界的なマエストロが「そこまでするの?」と驚いたのなんの。サービス精神に満ちあふれていて、非常にチャーミングな人だった。

特筆すべきは、指揮に入る瞬間。するりと滑るようにタクトをふり始める、その一瞬の姿が、実に良いのですよ。指揮そのものはダイナミックなスタイルなのだが、緩急の「緩」の部分が、非常に色っぽいのですね。ううむ、今度はぜひともホールで「至近距離」で観たい(←聴きたい、じゃないのか!)

【プログラム】
歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(グリンカ
ワルツ「ウィーンの森の物語」(J.シュトラウスII世)
歌劇「イーゴリ公」より”ダッタン人の踊り”(ボロディン
ツィゴイネルワイゼン」(サラサーテ
ジュラシックパーク」(J.ウィリアムス)
組曲「惑星」より”火星”(ホルスト
序曲「1812年」(チャイコフスキー


【アンコール】
ウィリアム・テル序曲」(ロッシーニ
童謡「夕やけこやけ」「七つの子」「ふるさと」
「八木節」


ダッタン人の踊り」は独特のドライブ感があって、ぐいぐいと引き込まれた。なんだか「胸ぐらをつかまれる」ような感じ。熱い上に、粘度が高い。そんな印象だった。(個人的には、この演奏に一番驚いた)

序曲「1812年」には、大砲が登場。「なんて派手な演出なんだ!」と仰天したのだが、この曲は大砲を楽器として使用するのが、本来のスタイルだそうだ。金管楽器のバンダ(別働隊)も加わって、ものすごい迫力だった。まさに野外ならではの醍醐味。

ちょっと記憶が曖昧なのだが、「火星」と「1812年」の間に藤田まことさん追悼コーナーがあり、「必殺仕事人」のテーマが演奏されたと思う。イントロのトランペット独奏が素晴らしかった。