スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

気になったもので

bluesnake2008-09-19


まもなくお彼岸。いまさら夏芝居のことを書くのもナンですが、いろいろ面白いことがあったので、ちょっと記録を。私的な萌えツボばかり。ピンポイント感想ですが。


■二枚目の熱き柔肌
女教師は二度抱かれた」(8月、シアターコクーン
劇作家・松尾スズキが見事な「職人芸」を見せた秀作。大竹しのぶの怪演、阿部サダヲの妖演、浅野和之の名演に目が釘づけの3時間半。とりわけ、浅野和之の滋味のある演技に目を見張る。浅野さん、本当にいい役者だな、と再認識。


さて、問題は、主役の市川染五郎。劇中でパンツ一枚になるシーンがあるのだが、お腹が、やけにプヨプヨ。下腹がたるんでいるのよ。気弱で情けない劇作家の役(松尾スズキがモデル?)なので、きっと役作りで脂肪を蓄えたにちがいない。ロバート・デニーロばりに身体を改造したのだ……と納得したものの、どうにも気になりましたよ。染ちゃん、スリムな人なのに……もしや中年太り?


■これが博多のおもてなし
劇団春陽座「刺青奇偶」(8月、博多新劇座)
10年ぶりに観た大衆演劇のクオリティに驚く。ここ数年、大衆演劇のレベルが上がっているとは聞いていたけれど、いやー、すごい、と興奮した公演。なんといっても主役コンビ(澤村心、澤村かな)の両名が、美しい。芝居がうまい。長谷川伸の名作「刺青奇偶」、寂寥感が体現されていました。


さておき。この劇場、休憩時間に売り子さんが客席をまわるという、芝居小屋らしいサービスがある。売っているのは、ゆで卵。これだけ。客席販売といえば、アイスクリームとか和菓子類ってのが相場だと思っていたんですが、なぜゆえ。ゆで卵?食事休憩って感じでもなかったし。お客も精力をつけよ、ということなのか? 後日、調べてみたら、どうも大衆演劇系の小屋じゃ、ゆで卵は、よく売られているらしい。私の勉強不足でした。次回の博多はでは、ゆで卵デビューか。



■おもしろじいちゃんの宝庫
「スカーレット・ピンパーネル」(7月、宝塚大劇場
ブロードウェイの音楽力と宝塚のロマンティシズムが融合した傑作ミュージカル。主役三人の歌、歌、歌に圧倒されるのみ。眼と耳と肌で、たっぷりと幸福を味わいました。


平日だったせいか、客席はじいちゃん&ばあちゃん率が高かった。私の前列には、俳優の佐分利信に似たダンディなじいちゃん。年のころは、80歳前後。開演前、このじいちゃんが携帯を取り出したんですが、待ち受け画面が、なんと安蘭けい! クールに決めた星組のトップスターだ。佐分利翁、おもむろにメールを打ち始める。「いまから、スカピン3回目、楽しみだよーん」(文字がデカイので、見えてしまった)文末には、でっかいハートマーク。あんた、いったい、だれに送ったの? じいちゃん、幕間には売店で安蘭グッズを物色していた。孫へのおみやげじゃないぞ、絶対に。


宝塚大劇場で見かけるじいちゃんは、おもしろい。特に常連さんの多い2階席は、オモシロじいちゃんの巣窟…いや、宝庫かもしれない。みんな、ヅカ観劇歴ウン10年の大ベテラン諸氏なんだろうが、行動がキュートというか、萌え丸出しというか。じいちゃんウォッチング in 大劇場が、ひそかなマイブームです、私。