スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

海への郷愁 雑誌『島へ』

昨年から『島へ』という雑誌を定期購読しています。

 

 

海風舎という出版社が発行している「日本で唯一の島マガジン」です。日本の島に関する文化、歴史、風土、食べ物、人間模様などをていねいに取材しており、読み応えのある1冊です。

 

私は、瀬戸内海に面した香川県で生まれ育ったこともあり、小さい頃から島で海水浴やキャンプをする機会が多くありました。島にはなじみがありましたが、大人になって、ほとんど行くことがなくなり、少し残念な思いを抱いてい多ところ、見つけたのが、この雑誌。

 

 

国土交通省によると、日本には、6432の島があるそうです(そんなに!)
私が育った香川県には、112の島があり、そのうち、24島に人々が暮らしています。
多くの島がありながら、訪れたことがあるのは、わずか4島。

 

故郷なのに知らない場所ばかりです。
まずは地元の島めぐりに出かけてみたい。
そう思っています。

 



地球の豊かさ 『翻訳できない世界のことば』

『翻訳できない世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース著)というユニークな絵本を読みました。

 

外国語には、他の言語では言い表せない言葉が存在するそうです。それらの言葉を集めたユニークなイラストブックです。著者は世界を旅するイラストレーター。旅先で出会った言葉を収集し、背景にある文化や歴史も織り込んで、楽しく読める一冊になっています。

 

どんな言葉が載っているかというと

 

 

○「TIMA」アイスランド語


時間やお金のように限りがあって、たやすく指の間をすりぬけ、こぼれてしまうようなものを手放すのはむずかしいことです。一度失うと取りもどせないのもだから、できる限りそれを保持していたいというのも当然といえます。

 

 

○「KILIG」タガログ語

 

きっとあなたもご存じでしょう。ひとたびこの気分になると、まともにものが考えられず、どんなことにもほほえんでしまうし、胃の奥のほうからわくわく感がこみあげてきます。

 

 

○「GEZELLIG」オランダ語

 

どのオランダ人にたずねても、みんなgezelligについて語ってくれます。
あたたかく、まるで家族のようにむかえいれ、
たのしい会話やハグで心をリラックスさせてくれる文化が、そこに現れています。

 

日本語もあります。

 

 

○「ボケっと」日本語


日本人が、なにも考えないでいることに名前をつけるほど、それを大切にしているのはすてきだと思います。
いつもドタバタ忙しいくらしのなかで、あてもなく心をさまよわせるひとときは、最高の気分転換です。

 

○「積ん読」日本語


積ん読のスケールは、1冊だけのこともあれば大量の読まない蔵書になっていることもあります。
玄関を出るまでに、ページを開いたことのない「大いなる遺産」の本にいつもつまずいてしまう、知的に見えるあなた。
その本、日の目を見る価値があると思いますよ。

 

ボケっとするのが、最高の気分転換になるとは、うれしい言葉。
積ん読は「大いなる遺産」だそうです。
これからは堂々と遺産を増やしていきます(笑)

古典アフター「大なごやらくご祭」

あけましておめでとうございます。
昨年はあまり更新できず、忸怩たる思いでした。
今年はそのようなことがないよう、頻繁に更新したいと決意しています。

昨年のことになりますが、記録のために書いておきます。

 

毎年恒例の「大なごやらくご祭」(名古屋市公会堂)に行ってきました。
4日間にわたり繰り広げられる、落語ファンにはうれしいイベントです。
観たのは、SWA(創作話芸アソシエーション)の高座。
SWAは毎年テーマを設定して上演をしているのですが、今年は「古典アフター」。
有名な古典落語の「その後」を4人が創作して口演する趣向です。

 

 

演目は以下の通り。

三遊亭白鳥かわうそ島の花嫁さん」

柳家喬太郎「ほんとうは怖い松竹梅」

林家彦いち「厩大火事」

春風亭昇太「本当に怖い愛宕山

 

 

ちなみに白鳥さんの元ネタは、「大工調べ」だそうです。
なぜ「かわうそ島」になったかは、聞いても分かりませんでしたが(笑)
実に破天荒な師匠らしいアフターストーリー。

 

喬太郎さんの「松竹梅」アフターは、そう来たか!というラブストーリー。
とはいえ、単純な恋物語ではないところが、いかにも師匠らしい。
傑作「カマ手本忠臣蔵」を彷彿させる名作でした。

 

彦いちさんは「厩大火事」。元ネタをどんどんエスカレートさせていく様子が、なんともいえずに面白い。体育会系の真骨頂です。

 

昇太さんの「愛宕山」は旦那を見返そうした太鼓持ちが、洞窟で出会った神様のお告げによって、どんどん出世。最後は旦那を雇うようになる、というストーリー。
昇太さんらしい、全身で表現する一席でした。

 

 

2022年の楽しい笑い納めになりました。

 

 

昭和山 ー のほほん休日便り ー

大阪・大正区にある昭和山に行ってきました。

 


山といっても、標高は33メートル。「大阪八低山」のひとつです。

 

 

そもそもは、1970(昭和45)年、地下鉄工事で掘った土を盛って作られた山です。


標高が低いとはいえ、山頂からの眺めは抜群!
大阪港から六甲山、生駒山金剛山まで、ぐるり360度の見晴らしは爽快でした。

 

 

この昭和山、2018年の台風21号により、大きな被害を受け、樹木を1000本以上、伐採しなくてはなりませんでした。しかし、その後、2020年に見事にリニュアルされ、以前より素敵な場所として復活したそうです。

 

訪れた日はお天気も良く、気持ちよかった〜
おかげで日頃のモヤモヤが吹き飛びました。

 

 

阿保ぼんの凄み ー藤山寛美三十三回忌追善公演ー

藤山寛美三十三回忌追善公演(大阪松竹座)を見てきました。
浪花の喜劇王と言われた寛美さんが亡くなって、もう30年以上経つんですね。

 



「大阪ぎらい物語」は、船場の木綿問屋を舞台にした喜劇ですが、脚本がとてもすばらしい。寛美さんは、ちょっと風変わりな「阿保ぼん」を巧みに演じていましたが、それを娘役に変えて、直美さんが堂々と受け継いでいました。

 

 

この物語は、松竹新喜劇を率いてきた二代目渋谷天外さんが、舘直志のペンネームで書かれたものだそうです。

ちなみに二代目天外さんは、朝ドラ「おちょやん」で成田凌が演じていた役です。若き日の藤山寛美さんは、前田旺志郎が演じていましたね。

 

舞台の合間には、懐かしい寛美さんの映像が流れ、ロビーには貴重な写真の数々。

 

 

 


藤山寛美さんの舞台、いつか生で見たいと願っていた矢先の急逝(1990年)。
島田紳助だったか「大阪から通天閣が無くなったように淋しい」とテレビで追悼していたのを今でも懐かしく思い出します。

 

 

自然の力 「桜を見る会」

週末「桜を見る会」に行ってきました。

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場所は、大阪・都島区にある藤田邸跡公園です。大阪では桜の名所として有名な公園だそうですが、私は初めての訪問。

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園内には桜をはじめ、梅や桃など春の花が咲き誇り、目の保養になりました。

 

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桜を見る会」の主旨は、花見ではありません。2019年の台風21号で倒れてしまった桜の樹を復活させようと、京橋の地域活性化機構が若木を植樹。その成長を見守る会で、今年で4年目を迎えます。植樹した桜は、ずいぶん大きくなり、すくすくと育っているようでした。

 

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植樹4年目の桜の若木

 

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京橋地域活性機構のプロジェクトです

お天気が良く、桜もピークとあって、かなりの人出でしたが、大いに楽しみました。
エンタメ・プログラムが充実していて、よしもとの若手漫才コンビ、ボロボロバイセコーのおふたり。ソンガーソングライターのAYAHO(アヤホ)さん。ジャグラーのCHARHAN(チャーハン)さんがパフォーマンスを披露してくれ、なんとも贅沢な時間でした。

 

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デビュー3年目の若手漫才コンビ、ボロボロバイセコーのおふたり。
都島区の住みます芸人さんです。

 

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ソンガーソングライターのAYAHO(アヤホ)さん。4月から始まるアニメ「妖怪シェアハウス」のエンディングテーマを歌っているそうです。

 

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ジャグラーのCHARHAN(チャーハン)さんが見事なパフォーマンスを披露してくれました。


コロナで外出する機会が減っていたので、久しぶりに自然の中でのんびりできて、気分転換になりました。

挑戦する人 大名古屋らくご祭2021

今更ですが、昨年のクリスマスイブの話で失礼します。

毎年恒例の「大名古屋らくご祭」(名古屋市民会館)へ馳せ参じました。

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昨年11月に、新作落語の先駆者である三遊亭円丈師匠が、残念ながら他界されました。
出演メンバーは、白鳥さんを除いて、別の師匠のお弟子さんですが、新作落語を学んだのは円丈師匠からだそうです。

まさに「円丈チルドレン」4名。どの高座も恩師への感謝を込めた一席になっていて、胸に沁みるものがありました。

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三遊亭白鳥 黄昏のライバルー師匠円丈編
柳家喬太郎 聖夜の鐘
林家彦いち 掛け声指南―ムアンチャイ編
春風亭昇太 鬼背参り

出色だったのは、弟子の三遊亭白鳥さん。
師匠への入門エピソードに始まり、いかに師匠が、突き抜けて、奇抜な、すごい存在だったかを爆笑噺に仕立てての口演。単に追悼するのは簡単ですが、笑い取りながら功績を伝えるのは、至難の技だと感服。

2021年いちばんの高座となりました。

 

私も何度か円丈師匠の高座を聴いたことがありますが、常に挑戦する姿勢に感銘を受けたことを今も思い出します。