文章は素材が9割
ノンフィクションやビジネス書を読んでいると、「この本、わかりやすいなぁ」と思うことがある。奥付けを見ると、構成「上阪徹」と記されていることが多い。
そんな上阪さんが、自分の文章術を披露した『10倍速く書ける超スピード文章術』。これがすこぶる面白かった。
上阪徹さんは、ブックライターとして年間12冊の本を出版しているという。なんと10万字(単行本1冊分)を平均4、5日で書くそうだ。その方法を詳述しており、大いに参考になった。ぜひ、その上阪さんの域に達してみたいものだ、と末端ライターは、嘆息してしまう。
参考になった箇所を引用してみる。
・素材の3要素「独自の事実」「エピソード」「数字」
・文章は素材が9割。素材を用意できたら、ほぼ完成
・王道の構成は「結論→その理由→具体例→まとめ」
・しゃべるように書くと必ず伝わる
・すべての文章には必ず「読んでほしい人」がいる
・トップスピードで最後まで書ききるコツ
・書きながら途中で何度も止まっていたら一気通貫に読める文章にならない
まさに、そうだ。
準備に時間をかけようと思っているものの、実践できないこともある。締切が気になって、つい準備不足で書き始めてしまう。そういうときは、いつも途中で試行錯誤に陥ってしまうのだ。猛省。
ちなみに上阪さんが文章術の見本としているのが、沢木耕太郎さんの『敗れざる者たち』。
「沢木さんの文章は本当に素晴らしいのですが、読んでいて嫌な印象を受けることがない。押しつけがましくなく、いい素材が展開され、素直に感動できる。」
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