『「ない仕事」の作り方』
先日、友人主催の読書会に参加しました。
課題本は、私の選書で『「ない仕事」の作り方』(みうらじゅん著)
みうらさんといえば、「ゆるキャラ」や「マイブーム」など多彩な活躍で知られるサブカル界の人気者。そのみうらさんが、自身の仕事術をすべて公開したのが、この本です。サブカル本っぽく見えますが、ビジネス書として秀逸で、学ぶところの多い一冊です。
■ないものから探す
私がインターネットでよくやるのは「出てこない言葉」を探すことです。普通は世に出ているものを調べるでしょうが、私の場合はこれから世に出したいもの、そのネーミングなどが、まだ誰も手を出していないものかどうかを確認するために検索するのです。
■逆境を面白がる
マイナスなものを、名前をつけて面白がってみると、自分の気持ちすら変わってプラスになります。
■好きなものが連鎖する
ひとつのものに夢中になると、自然とそこから派生するものも頭のどこかにストックされていき、それが仕事につながっていきます。
■「私が」で考えない(自分なくしの旅)
私が何かをやるときの主語は、あくまで「私が」ではありません。(中略)そもそも何かをプロデュースするという行為は、自分をなくしていくことです。自分のアイデアは対象物のためだけにあると思うべきなのです。(中略)「自分探し」をしても、何もならないのです。そんなことをしているひまがあるのなら、徐々に自分の煩悩を消していく、「自分なくし」をするほうが大切です。自分をなくして初めて、何かが見つかるのです。
バラけると意味がない。合うと層見える。それが「ない仕事」の真髄だと、自分で初めて気がついたのです。そもそも違う目的で作られたものやことを、別の角度から見たり、無関係のものと組み合わせたりして、そこに何か新しいものがあるように見せるという手法。
以上、印象に残ったフレーズですが、みうらさんは、常に「逆転の発想」で仕事をしてきた人だったと、この本を読んで発見したのです。
イノベーション(innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」を創造する行為を言いますが、みうらさんの仕事は、まさにイノベーションではないかと感じました。