スルメ日記

ライターのユッキィ吉田が「ゆるい日常」を綴っております。

七味五悦三会(後編)

前編に続いて、五悦と三会を書きました。

 

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【五悦】

 

柳家喬太郎なにわ独演会(4月)

 

「親子酒」「稲葉さんの大冒険」「心眼」の3席を口演した喬太郎師匠。とりわけ「稲葉さんの大冒険」(三遊亭円丈作)は登場人物をデフォルメした上に、爆笑につぐ爆笑噺にアレンジしており、喬太郎の自家薬籠中。

古典の「親子酒」「心眼」も見事で、新作・古典の貴重な二刀流として、ますます冴えておりました。

https://bluesnake.hatenablog.com/entry/2019/09/18/161642

 

 ■ソーゾーシ―公演(10月)

大阪・道頓堀の「ZAZA」というスペースで開催された落語と浪曲の公演。ソーゾーシ―という若手新作派のユニットで、メンバーは、春風亭昇々、瀧川鯉八、立川吉笑、玉川大福の4名。

全員、初めて聴く方でしたが、もう抱腹絶倒の面白さ。昨年の足を運んだ公演では、ピカイチでした。

https://bluesnake.hatenablog.com/entry/2019/10/29/161816

 

■大名古屋落語祭(12月)

SWA(創作話芸アソシエーション)のメンバー4名が集まっての公演。喬太郎、彦いちの両名も良かったのですが、出色だったのが昇太師匠の「茶の湯」。知ったかぶりして茶道を始めるご隠居さん。その慌てぶりが昇太さんのキャラクターにピッタリで、うまいなぁと感心。

トリをとった白鳥さんの「ハイパー初天神」も、文字通りハイパーで、元ネタを軽くを超越。破天荒な新作をやらせたら、白鳥さんの右に出る噺家はいないんじゃないかな。そう思わせる一席でした。

 

OSK日本歌劇団・京都南座公演(7月)

「海神別荘」「Storm of Applause」

泉鏡花の原作をサクラ大戦でおなじみの広井王子さんが脚色・演出した舞台。鏡花の繊細なセリフを上手く舞台に乗せた脚本が秀逸でした。舞台美術も「深海」を見事に表現しており、美しかったです。

 

■ドラマ「凪のお暇」「きのう何食べた?」「時間ですよ」

ドラマでは、この3作が良かったなぁ。「きのう何食べた?」は言うまでもなくケンジを演じた内野聖陽の演技力。もはや感動の域でした。

「凪のお暇」は黒木華高橋一生中村倫也という演技派をそろえ、見応え充分。特にミステリアスな老婆を演じた三田佳子は絶品。今まで気にしたことのなかった女優さんでしたが、一気にファンになってしまったほどです。

「時間ですよ」は、1970年の第1作ですが、Paraviという配信サービスで見つけ、ハマってしまいました。後年のシリーズは見たことがあるものの、第1シーズンは未見。白黒だったんですね。家と職場が(銭湯)が同居していた懐かしい時代。銭湯の営業が終わって、家族と従業員が一緒に食卓を囲んで夜食を食べるシーンがよく登場したのですが、何とも言えず、見る側を温めてくれる。今では貴重なホームドラマの傑作。

 

【三会】 

 

昨年も人には恵まれました。お名前は書きませんが、まずはライターの大先輩。大変忙しい毎日を送っているにも関わらず、それを決してひけらかさない。常に腰が低くて、相手に配慮した接し方をしている。まさに私もこうありたい、と頭を垂れた方でした。

 

2人目は、久しぶりに再会した小中学校の旧友。医療関係のキツい職場に勤めていながら、あっけらかんとしていて、こちらまで励まされる。この友人も仕事の愚痴は一切口にしないプロフェッショナルです。

 

そして読書会でお世話になっている女性。いつも会のファシリテーターを務めてくれるのですが、その取り回しの上手さとメンバーへの細かい配慮は、お見事。見習いたいと思わせる方です。

 

そんなわけで、結構楽しかった2019年。今年も「七味五悦三会」に出会いますように。